あれこれシステムを変更する前に、運用で解決できないかを考えてみて！

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　●企業システム戦略孫子の兵法　謀攻篇　その２
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「百戦百勝は善の善なるものに非(あら)ざるなり。
　戦わずして人の兵を屈するが、善の善なるものなり」

　百回戦って百回勝っても、それは最善の策とは言えない。
　戦わずして、敵を屈服させることこそ最善の策である。

　強大な力で、相手を打ち破って百戦百勝を収めるよりも、
　戦わずに、勝つことが最善なのです。

　戦いをすれば、例え、勝ったとしても、自らも痛手を受けます。
　負けた相手は、さらに痛手を受けます。

　全てが灰になってしまったのでは、勝ったところで何の意味があるのかということです。

　戦わずに勝つには、いくつかのやり方があります。

　例えば、
　１．政治的な解決を図る
　２．相手を自滅に追い込む
　などです。

　このような勝ち方であれば、大々的に戦争を行うより遥かに、少ないコストで、かつ、安全です。

　大義名分を果たすことができるのでれば、何も正面突破でなくとも、安く・安全第一です。

　面子や体裁のために、国や民をリスクにさらすのは、良いことではないという考え方です。

　企業システムの問題解決や改善などにも、同じように考えることができます。

　一時期は、改善などは生温い、改革断行でなければ、企業は再生できないという欧米流が大手を振っていました。しかし、こういった力ずくでの解決は、最善策ではないと孫子は教えます。

　改革断行して、組織が破綻したケ－スも少なくありません。

　情報システムの世界では、ＥＲＰの全面導入があります。旧システムを一気に置き換えた成功事例と紹介されていても、実情は、そんなに鮮やかに成功を収めていないようです。

　最近では、ＥＲＰで企業システムを一気に置き換えるなどと、リスクの高いことは当のＥＲＰベンダも言わなくなっています。
　これに変わって、最近は、ＳＯＡやマッシュアップなど、既存のシステムを組み合わせる考え方が主流となってきています。

　企業がビジネス目標を市場に合わせて次々と変えていかなければならない時に、巨大なシステムをコスト・労力・時間をかけ、大きなリスク負って構築しているヒマはないのです。

　巨大なシステムとは、情報システムだけではなく、機械設備や生産システム、人事システム、金融システムなどなどです。

　巨大システムを一気に導入して、力ずくで経営課題を一掃しようとするのではなく、政治的に解決することを考えましょう。

　政治的に解決するとは、システムを一切、造らず触らず、既存システムを活用・流用して、ビジネス目標を達成することです。

　高品質なプログラムを早く作れるプログラマは優秀ですが、超優秀なプログラマは、プログラムを書かずに要求に答えます。

　そのために、まず、使うのは、お金でも、コンピュータでもなく、”知恵”なのです。

　つまり、孫子は、力ではなく、頭を使えと教えているのです。

　”彼を知り己を知れば百戦して殆うからず”というのは、力で戦う前に、自他の情報収集して、しっかり頭で考え、戦略を練り上げれば、戦わずして勝てるので、百回戦いに望んでも、危ぶまれるところは無いということなのです。