大きな変革をしようと思ったら、まず、小さな変化を繰返し起こすこと。そして、小さな変化に慣れてきたところで大きな変革に挑むこと。小さな変化を繰返し経験することで、大きな変革に対する抵抗が少なくなり受け入れやすくなるものです。
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●企業システム戦略 兵法三十六計 敵戦の計 第七計 無中生有
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無中生有(むちゅうしょうゆう)「無中に有(ゆう)を生ず。」
まず無=虚を示して敵を欺き、その後に有=実を用いて攻める戦術。
軽い偽装(少陰)の次に大きな偽装(太陰)を仕掛けて最後に総攻撃(太陽)を加える。
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ここからは「敵戦の計」、余裕を持って戦える、優勢の場合の作戦です。
余裕のあるときに、相手の守りが硬いのであれば、そこを崩すために、何も無いよーと虚を繰り返し、相手が油断したところで攻め込むのです。
古事では、空っぽの舟(無)を何度も城に接近させ、そのことに相手が気が付いて油断した後、兵を乗せた舟(有)で城に攻め込み勝利したというお話です。
いきなり、企業システムを大きく変えようとして、組織や人事制度、情報システムなどを弄ると皆、身構えてしまい抵抗します。そんなことを繰り返して、改革に対するトラウマがはびこっては大変です。
そこで、最終的に持って行きたい方向は示しつつも、最初は、大したこと無いよーと、軽く始めましょう。
長期的なビジョンで、大改革をしたいと聞いて皆が身構えたところで、日常的な業務のやり方を少しだけ変えてみる。
それも、試行的に手作業で。
ITなど使わず、ダメならいつでも元に戻せる。
そんなやり方です。
こうして、何度か小さな変化を起こしてみて、皆に、大したことなさそうだと思ってもらう。
新しい仕事のやり方に、ほぼ皆がなれたところでこれをITで自動化し統制を固めてしまうのです。手作業でやっていたときには、多少のルール違反があるかもしれませんが、それを認めてはダメです。
ITで統制を自動化してしまえば、おのずとルール違反は排除されます。
しかし、ほとんどの場合、正しいやり方に慣れているので、システムで強制がかかっても、心理的抵抗は少ないと思います。
会社が危機的な状況では、こんな余裕はありませんが、余裕のあるときなら、こんな気長なやり方で変革を進めるのも一計ですね。
特にERPなどの導入時は、仕事のやり方が大きく変わることに対する抵抗感がかなりあると思います。
いきなり、ERPを導入して新しいやり方を強制するより、新しい仕事のやり方を、まず限定的な範囲で手作業で何度か試行錯誤してみてはいかがでしょう?
そして、皆が、大したこと無いねーと言う感じになったら実際にERPを導入するのです。
即ち、変革に対する小さな成功体験を何度か繰り返すうちに大きな変革も自然に受け入れられるように仕向けるわけです。
これが、無の中に、有を生む戦略です。
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