奇襲戦法と正攻法を変化自在に使い分けるのが上手

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●企業システム戦略　孫子の兵法　兵勢篇　その３
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「三軍の衆、必ず敵を受けて敗なからしむるべきは、奇正これなり。」

大軍が敵の攻撃に対応して敗れないのは、奇襲戦法と正攻法の使い分けによるものだ。

相手の出方や状況変化に応えて、時には奇襲戦法で、時には正攻法でと変化自在に使い分けることが上手ということです。

どんな時も真正面から正攻法で突破するのが美学とする考え方ではありません。

その点、”逃げるが勝ち”という言葉に通じるものがあります。

無理をして正面突破で玉砕してしまっては、事業継続とか、持続的成長とかは難しいでしょう。

企業システムの構築においては、組織編制を柔軟にし奇正を使い分けることができるようにしておくことやゲリラ的組織（ビジネス・ユニットなど）を設けることにつながります。

業務プロセスや設備にも、奇襲戦法用と正攻法用を使い分けが自在にできるようなものがベターでしょう。

特に設備などは、巨大な設備は小回りが聞きませんから、できるだけ少なくするか、小さい設備を組み合わせて編成すべきでしょうね。

もちろん、情報システムにも同じことが言えます。

大きくて巨大なシステムは、あまり変化しない基幹部分には適合しますが、柔軟性にかけ、奇襲戦法には向きません。

そこで、奇襲戦法に対応するには、情報系を充実させる必要があります。

この基幹系と情報系のバランスと使い分けがポイントです。

また、基幹系であっても中核となる機能だけではなく、イレギュラーな例外処理をどう対処するのか、運用まで含めて、設計段階から考えておく必要があります。

当然、基幹系システムにあらゆる例外処理を自動化するような機能を盛り込むのは得策ではありません。

従って、例外処理は人手で対応するような運用を前提として、それをサポートするような半自動的機能等が必要になります。

このように情報システムを設計する場合に、情報システムだけを考え、全自動化しようとするのではなく、それを取り巻く企業システム（人、組織、設備、業務）全体を設計し、その中での情報システムの位置付けや役割を定義していくことが重要です。

このように考えることで、奇正を使い分け付加価値を生み出すための企業システム（経営とＩＴの融合体）を構築・運営できるのではないでしょうか。