大きな課題には小さな改善を連鎖的に講じて大きな成果につなげること

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●企業システム戦略　兵法三十六計　敗戦の計　第三十五計　連環計
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連環計（れんかんけい、れんかんのけい）

あたかも鎖の環が連なり合うように、複数の兵法を連続して用いるものである。

複数の計で大きな効果を狙ったり、複数の勢力を連立させる等して敵内部に弱点や争点をつくりだし足の引っ張り合いをさせる兵法である。

「将多く兵衆ければ、以て敵すべからず。其れをして自ら累れしめ、以て其の勢いを殺ぐ。師に在りて中するは吉にして、天寵を承くるなり。」

真正面から敵に当たらず、敵の情勢を観察して、種々の計略を用い、敵に仲違い・内紛等を生じさせて勢力をそぎ、勝利を得る作戦である。

相手の将軍が多く兵も多勢なら正面から戦ってはならない。まず計略を用いて敵同盟同士を牽制させて相手の勢いを殺ぐことが肝要である。たくみに謀略を駆使すれば勝利を手にすることができる。

出典：フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』より

大きな課題に取り組むとき、ボトルネックに力を集中して一気に正面突破する作戦もありです。しかし、明らかに劣勢である場合は、いくつかの小さな作戦を連鎖させ、大きな効果を生むように仕掛けなさいという作戦です。

一発のホームラン、一発の右ストレートを狙うのではなく、ヒットの連続、ジャブの連続で勝つ作戦

確かに改善活動などでも、ボトルネックが特定できる場合はよいのですが、あまりに問題が複雑すぎて、”ここ”というボトルネックが特定できずに、途方にくれてしまうときもあります。

むしろ、こちらのパターンが実際には多いかもしれません。

そんなときは、無理をせず、小さな改善を連鎖的に実行するのがよいでしょう。そうすれば、改善同士が相乗効果を発揮して大きな改善につなげることができます。

あるいは、問題と問題が排他的に、それぞれの問題を自滅させるかもしれません。

ここで注意しなければならないのは、モグラたたきにならにようにすることです。そのためには最終的な結果の大きなイメージを持ち、連鎖する問題をあらかじめ全て洗い出しておくことです。

そして、効果的な問題解決の順番を決め、うまく改善を連鎖させることです。

「アジャイル」の進め方に通じるところがあります。

例えば、システム統合試験ならこうです。上流から順番に処理ステップを試験をして、バグが発見されたら、そのバグをつぶし、そして、次のステップにうつるというやりかたは得策ではありません。

そうではなく、一連の処理ステップを上から下まで通して試験します。

途中でバグが発生した場合は、正常にパスしたものとしてデータを手直しするなどして、そのステップを飛ばし、とにかく最後までやり切ります。

そして、すべてのバグを洗い出した上でバグつぶしの順番を決め、連鎖的に一気にデバグするのです。

このようにすることで、その後の試験がとても見通しがよくなります。場合によっては、あるバグとあるバグが解消すると、他のバグも自然に解消することもあります。

最初のように順番にデバグするやり方をすると、最初のステップで、大きなバグに遭遇した場合、その後のスケジュールやコストの見通しが立たなくなってしまいます。

逆に、最後の最後に大きなバグに遭遇しても見通しが大きく外れます。

最悪なのは、モグラたたきになり後のバグをつぶしたら、先につぶしたバグが再発する、いわゆる先祖帰りが多発します。こうなると手がつけられず、バグがなかなか収束しなくなります。

全体にどれだけのバグがあるのかをあらかじめ知っておき、すぐ直せるもの、時間のかかりそうなものをリスク評価などしたうえで、連鎖的にバグをつぶしていくほうがデスマーチになりにくいはずです。

あなたのチームに、スーパー問題解決者やスーパープログラマがいて、どのような問題もバグも、あっというまに解決できるというなら、常に正面突破の正攻法でも心配ないかもしれませんが。

そうでない普通のチームは、小さな改善・解決を、連鎖的に積み上げて、大きな効果を生むことを考えましょう。

アリが、ゾウを倒すように。