ITガバナンスの実現に向け、皆がシステム監査について知るべき理由

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私は経営学部でシステム監査の講義をしているが、学生の中でシステム監査人になる人はほとんどいないだろう。では、なぜシステム監査について知るべきなのか。

それは、これからDXなどを推進するにあたって経営的観点から情報システムを評価する必要性が高まってくるからだ。さらに、DXでは市民開発と言われるように全社員がノーコードツールなどを使用してシステムを内製する機会が増えてくるだろう。

ちなみに、システム監査の定義と目的は以下のとおり

定義：監査対象から独立かつ客観的立場のシステム監査人が、情報システムを総合的に点検・評価し、組織体の長に助言及び勧告するとともにフォローアップする一連の活動。

目的：ＩＴガバナンスの実現に寄与すること。

ＩＴガバナンスとは、企業が競争優位性を確保するためにＩＴ戦略の策定・実行をコントロールし、あるべき方向へ導く組織能力（経済産業省）
　
そして、システム監査では信頼性、安全性、効率性、有効性の観点から情報システムを点検・評価する。

これまでも過去に「使われないシステム」など有効性を確保できないケースなどが散見されているが、問題の主体は情報システム関係者であった。システム監査の対象も主には情報システム部門などであったろう。

しかし、DXを全社・全社員で推進していくとなるとシステム監査の対象範囲はいっきに広くなってしまい、とても監査人だけが獅子奮迅したとことでシステム監査の目的であるＩＴガバナンスの実現は難しくなる。

実際にシステム監査を行うか否かに関係なく、DX推進や市民開発を行うひとりひとりがシステム監査の観点（信頼性、安全性、効率性、有効性）を意識していかなければならない。

被監査部門もシステム監査について知ることにより、情報システムに関わるリスクをしっかりコントロールすることが可能になり、ＩＴガバナンスを実現することができるようになる。

会社の全員が経営とITを知るならば、DXの推進を危なげなく行える
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　●企業システム戦略孫子の兵法　謀攻篇　その８
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「彼れを知りて己を知れば、百戦して殆うからず。
　彼れを知らずして己を知れば、一勝一負す。
　彼れを知らず己を知らざれば、戦う毎に必らず殆うし。」