ステークホルダーマネジメントの極意！利害関係者を動かすには、利をもって誘導する

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●企業システム戦略　孫子の兵法　兵勢篇　その９
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「善く敵を動かす者は、これに形すれば敵必らずこれに従い、これに予うれば敵必らずこれを取る。利を以てこれを動かし、詐を以てこれを待つ。」

巧妙に敵を動かす者は、形を示せば敵は必ず従い、何か与えれば、敵は必ずこれを取る。利を以って敵を誘導し、策略を以って待ち伏せる。

戦いに限らず、周りをうまく巻き込んで動かすことは、成功への大きな要因だと思います。

兵法で言えば、武蔵も「五輪書　火之巻」の中で、敵を動かすことについて、いろいろ書いています。

「陰を動かすという事」など

ビジネスや人間関係で、人を動かすことの名著は、デール・カーネギーの「人を動かす」でしょう。

「人を動かす」新装版デールカーネギー

私は、いつも脇において、もう１０回は読んでいますし、プロジェクトを立ち上げ時や実行中に読み返したりします。

この本は、「人を動かす。」というタイトルですが、実際には、どうしたら人に”動いてもらえるか”という点を、

人間の本質（自己実現や社会的地位の欲求）から、原理原則にまとめています。

孫子が、相手が従うような形をとり、何かを与える、利を以って（相手の得になることを見せ）というのと本質的には同じです。

力ずくで動かすのでなく、動かざるを得ないように仕掛けるわけです。つまり、詐を以って待つ。

誰しも、自分が得になることには、積極的に動きます。（マーケティングの基本ですね。）

だから、自分が得するために、人を動かしたいなら、相手が得するようにしなさいということです。

”Win-WIn“を考える。

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自分だけガムシャラに動いて先頭を突き進むのがリーダシップではなく、周りに動いてもらえるように、しかけるのがリーダシップ。

いずれにしても、結果的に、自分の思うように周りを巻き込めれば、勝ちです。

勝ち＝すなわち、価値を最大化できるということです。

相手が動いて価値が増大すれば、自分の価値も増大するようにしかける。それが、Win－Winです。

例えば、価格ネゴで単に値引きを要求するのではなく、要求機能を削減できる代替案を提案してもらう。良い提案があれば、インセンティブ（誘因）を与える。

そうすれば、製造原価を低減できるので価格も下がる。さらに、提案によっては利益まで増える可能性があるわけです。

あるいは、合い見積を取ることで、相手は価格を下げれば、受注が確実になるという利を以って待つのも手です。

相手が、どうすれば価格を下げたくなるのか、相手にとって「動くことの利」は何かを考えてみましょう。