勝算があるなら勝てる!しかし、少ないと危険、無いのは論外

孫子

プロジェクトの立ち上げにあたって、うまくいくかどうか誰しも不安はあります。ただ、漠然とした不安を抱えているだけでは一歩を踏み出せません。かといって、闇雲に突進するのも無謀です。孫子は、勝算があるなら勝てる、勝算が少なければ勝てない、ましてや勝算が無ければ話にならないと言う。

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孫子の兵法 始計篇 その10 算多きは勝ち
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算多きは勝ち、算少なきは勝たず。いわんや算無きに於てをや


 勝算が多ければ勝ち、勝算が少なければ勝てない。
 まして、勝算が無ければ、話にならない。


 一見、当たり前、普通のことを言っているようですが、
 あえて、明言しているところに、孫子の哲学があります。

 つまり、勝算を多く得られるまでは、戦うべきではない
 まして、勝算も無いのに、突撃するなど愚の骨頂だと。

 しかし、現実の世界では、この当たり前のようなことの、
 反対のことが少なからず、起こっています。


 冷静なときに、この言葉を聴けば、誰もが”当たり前だろ”
 と思うはずですが、いざ、目の前にのっぴきならない状況が
 出現すると、勝算も無く突撃してしまうのは、なぜ?

 気合で突撃すれば、”巌をも通す!”というのは、
 日本人のDNAでもあるような気がしますが。。。

 しかし、冒頭にあるように”戦いは国家の一大事
 という観点に立てば、

 勝算も無い(十分計画していない)のに
 気合だけで突撃して、組織を破綻させて良いわけが
 ありませんよね。

 故に、情報収集をしっかりして、
 五事(道、天、地、将、法)を比較検討し、
 勝ち目があるかどうか、計らなければなりません。

 さらに、比較検討だけではなく、勝つための仮説を立て、
 そのシナリオを検証して、勝算を増やすのです。

 こうして、自分なりの仮説検証をした上で、
 実際に行動した結果、うまくいかなければ、
 次回の糧とすることができるはずです。

 PDCAサイクルを回して、着実なレベルアップを図るにも、
 勝算は必要です。

 情報技術とは、この勝算を多くするために使うのが、
 もっとも効果的で、付加価値が高いものです。

 収集した大量の情報を蓄積して、高速に検索・分析できます。
 遠隔地間での共有や配信も瞬時に可能です。

 また、日々の業務をシステム化することで、自然にデータを
 蓄積することもできます。

 しかし、蓄積したデータを有効活用し、
 データを検索・分析して、仮説を立て検証を行うのは、

 ”人”です。

 ”人”が不在の情報技術は、無意味です。何の価値も生まれません。

 それは単に、計算機やデータ蓄積・交換機でしかないのです。

 この冷たい計算機やデータ蓄積機を活用し、真の情報技術として
 勝算を多く得るには、人の情報技術が必要なのです。

 教育記録をデジタルデータで保管するシステム
 教育コンテンツを動画配信できるシステムを造れば、
 優秀な人材が育成ができるなどということはないのです。

 逆説的には、人の情報技術が不在であれば、
 計算機やデータ蓄積・交換機の必要性も感じないかもしれません。


 しかし、それは”いわんや算無きに於てをや”なのです。


 その分厚いシステム要求仕様書に書かれていることには、
 本来的な目的を達成できるという勝算はありますか?

 画面、機能、データ項目の一つ一つ、互いの関連性
 そういったものが、確実に目的達成に向け必要十分なものである
 と自信を持って言えますか?

 計算機やデータ蓄積・交換機に、いくら投資したところで、
 それを使う人間の情報リテラシが不在なら、勝算は少ないです。


 ”やってみもせんで、屁理屈を言うな!”
 ”ごちゃごちゃ言わんで、まず、やってみろ!”
 ”やってみたら、分かる!”


 確かに、一理あり、事実でもあります。
 それゆえ、日常的に、良く聞く言葉です。

 しかし、孫子は、これを愚かな行為だと戒めます。
 うまくいっても、単なる偶然だと。

 おなじようなテーゼに立った考え方をするのが、品質工学です。

 実験を闇雲に繰り返すのではなく、
 実環境下でのノイズやバラつきを”予め”予測して、
 それらの影響を受けないように
 ロバストに設計すべきだと主張します。

 ロバストなシステムとは、勝算多きシステムなのです。

 企業システムなら、なおさら、闇雲な実験を
 繰り返していたのでは、疲弊して、破綻します。

 よく、カイゼンは永遠と言われますが、
 これとて、闇雲にもぐらたたきのようなことを
 永遠に繰り返せと言っているわけではありません。

 ジャストインタイム自働化という二本柱(哲学)に基づき、
 ”かんばん”(後工程引取り)などの戦術に支えられた、
 勝算があっての仮説検証の繰り返しなのだということを
 忘れてはいけません。

 こういった勝算も無く、単なる思いつきだけのカイゼンを、
 奨励・推進しても、現場は迷走するだけです。


 同様に、勝算なきアジャイル開発反復型開発も、破綻します。





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