正攻法をもって相対し、臨機応変に奇策を使って勝つ！

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●企業システム戦略　孫子の兵法　兵勢篇　その５
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「およそ戦いは正を以て合い、奇を以て勝つ。

故に善く奇を出だす者は、窮まり無きこと天地の如く、竭きざること江河の如し。

終わりて復た始まるは、四時是れこれなり。死して更生ずるは日月これなり。」

大抵の戦いは、正攻法をもって相対し、臨機応変に奇策を使って勝つ。

したがって、うまく奇策をつかう組織は行き詰るところがなく、まるで天変地異のようにであり、絶えることのない長江や黄河の流れのようである。

終わっても、また、繰り返し始まるさまは、四季のようだ。死しても、また繰り返し生まれ変わるさまは、日月のようだ。

勝てる組織（システム）は、いつの時代でも、正（基本）がしっかりしていて、奇（応用）が利くものですね。（スポーツ選手や棋士などもそうですが。）

このような場合、”組織は戦略に従っている”といえます。

基本の構えがしっかりしていないのに、奇をてらってばかりではダめでしょうし、基本だけでは、なかなか勝てません。

この場合は、”戦略は組織に従う（拘束される）”状態です。

柔軟性のある組織は、とにかく留まらないということをいろいろな比喩で表しています。この”構え”については、武蔵も五輪書の中で書いています。

『水之巻五方の構の事』

５つの構えの中で、中段の構えが基本であること、状況に応じて、中段から他の構えに柔軟に変えること。これを、「構えあって、構え無し」と表現しています。

『水之巻有構無構と云う事』

あるいは、「居着くな」（一所に心身を留めるな）と。

『五輪書水之巻心持の事』

人・物・金・情報システムのいずれも、基本をしっかりして、状況に応じて柔軟に変化できることが勝つシステムの条件です。

例えば、人・組織の基本は、社是やビジョン・社規定であり、情報システムなら、データベースやアーキテクチャです。

これらをしっかりと踏まえた上で、自由闊達に動ける組織風土。

特に、情報システムは、一度、構築していまうと硬直しがちなので、柔軟に組み換えができるようなアーキテクチャ（ＳＯＡやＭＶＣ等）を採用しておくと良いでしょう。

そして、既存システムを有効活用することがポイントです。

※ＳＯＡ：サービス指向アーキテクチャ
※ＭＶＣ：モデル（業務ロジック）・ビュー（画面）・コントローラ（制御）に分け柔軟性を持たせたアーキテクチャ

その場合、基礎となるデータベースやアーキテクチャが不安定であると、つぎはぎだらけになって、すぐに破綻してしまいます。

１０年２０年と持続的成長をしていけるシステムを構築には、アーキテクチャ設計での、正と奇の使い分けがキモです。