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部品の設計変更を行う場合、設計者はその部品の手配生産状況を把握してから設計変更を出すべきか否か。
Yesと言う人も、Noと言う人もいるだろう。
部品の生産手配状況を把握せずに設計変更を出せば、それを受けた手配生産部門が、それに対応しなければいけなくなり少なからず混乱を生じることが多い。
まだ着手していないのであればよいが、手配していた場合は手配変更をする必要がある。
一口に手配変更と言っても簡単ではない。
発注先に変更指示をするか、一旦、取り消して新たに発注するかケースバイケースで調整しなければならない。
生産着手していた場合は、さらに大変だ。
すでに作ってしまった部品はどうするのか。廃却して新たに作り直すのか、それとも手直しして使うのか。
その作業によって生産日程にも影響が出るかもしれない。そうなれば日程の組み換えも必要になる。
そういった様々な状況を把握して、どのように処置するのかも併せて設計者が設計変更指示すべきという考え方。
一方で、設計者が手配生産状況を把握するのは現実的に不可能。
設計変更を受けた手配生産部門で、どうするのが最善策を考え対応するのが現実解であるという考え方。
どちらも一長一短あり、どちらが正解とも言い難い。
いずれにしても設計変更は避けられないとしたら、最も品質・コスト・納期への影響が小さくなるポイントで対応するのが良いだろう。
そのためには、設計者が、手配生産部門が、と「誰が」やるかの是非を議論して、役割と責任、ルールを固定するのは得策ではない。
ケースバイケースで、設計者が指示した方が良いこともあるし、手配生産部門で対応したほうがよいこともある。
様々な設計変更に画一的なルールや組織、仕組みで対応するには限界がある。
「あるべき姿」だからと言って、非現実的なルールを設定しても、実効性が無いばかりか、かえって混乱に拍車をかけることになりかねない。
全社で協力して、設計変更に対して柔軟かつ効率的に対応するにはどうすべきかを検討するには、状況の可視化とコミュニケーションが鍵だ。
その解決策のひとつとしてPLM（Product Lifecycle Management）がある。
製品のライフサイクルに渡って情報を一元管理し、全社で共有するという方法論とITツールだ。
この情報・コミュニケーション基盤を活用して、全社で手配生産状況を共有して、その時点で最適なやり方で関係部門が協力して対応する。
これを実践するには、単に方法論やITツールを導入するだけではなく、これを活用する全員が変化へと柔軟に対応する「心」を持つ必要がある。
せっかく高額なPLMツールを導入しても、単に設計データ管理にしか使用しておらず、十分に全社で活用できていないケースが多いのは残念なことだ。
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